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KURSレポート

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  1. 第5回KURS・KLWS<安全対策講習会>に、157名が参加

2024.12.02

第5回KURS・KLWS<安全対策講習会>に、157名が参加

エル・おおさか大会議室で開催されたKURS・KLWS主催の第5回<安全対策講習会>は、多くの受講者の熱気で包まれた。

2024年11月17日の日曜日、大阪府立労働センター(通称:エル・おおさか、大阪市中央区)大会議室において、近畿生コン関連協議会(以下、KURS)と関西労供労組協議会(以下、KLWS)が主催、一般社団法人西日本建設関連オーナー会(以下、オーナー会)が協賛する、KURS・KLWS第5回<安全対策講習会>が開催された。

今回の受講者は前回よりも多い157名。多くの受講者は開催時刻を待たず、早くから会場のエル・おおさかのロビーなどに集合。遅れて参加する人がいないことから、受講者の意識の高さがうかがえる。

KLWSの仲間は普段一人で動くことが多いからか、大勢が一堂に揃うこのような機会に顔見知りのドライバーと親交を深め、あちこちで笑顔と談笑が響くなか、定刻となり、KURS幹事、明瀬一貴氏の司会進行で講習会がはじまった。

講習会の意義を再確認した、KLWS松居議長の挨拶

今回は会議室のスペースを考慮して、スクリーンを前に1ヶ所・中ほど窓側に1ヶ所の合計2ヶ所に設置し、後ろの参加者からも見やすいように配慮。講習会を重ねるごとに、より見やすく分かりやすいように進化している。

はじめに、KLWS議長の松居順一郎氏から開会の挨拶があった。

「本日は、春の講習会に参加できなかった皆さんにも、前回、好評をいただいた、KURS幹事高橋さんの名調子による講習で安全に関するスキルアップをしていただこうと開催いたしました。私たちは、オーナー会や広域協組(大阪広域生コンクリート協同組合)と共に、業界の発展をめざしながら、一方では春闘等における集合交渉の窓口もしておりますので、このように講習会を自主的に開催して、日々の安全対策を実践しているということをアピールしながら、交渉に臨みたいと思います」と、講習会の意義について再確認した。

松居氏の挨拶に続いて、いよいよ講習の本編がスタート。講師は、前回に引き続きKURS幹事の高橋克利氏だ。

開会の挨拶を行うKLWS議長の松居順一郎氏。

開会の挨拶を行うKLWS議長の松居順一郎氏。

講習は分かりやすいトークが好評の、KURS高橋克利幹事が担当

高橋氏は、冒頭にKURS制作のガイドブック『生コンワーカーの実務』や『ビデオマニュアル』を紹介しつつ、速いテンポで、特に重要な部分のみをかいつまんで説明していく。参加者が退屈しないように、長い説明は後ほど各自で読んでもらうよう割愛し、大切なことは身近な事例を紹介しながら具体的に、全体の講習時間も短めに組み直している。

そんな高橋氏は講習の序盤で、受講者の一人を指して質問をした。「事故はなぜ起きると思いますか?」。受講者「…確認をしないから?」。高橋氏「大正解です!確認をしないからです。皆さんはプロのドライバーです。でもなぜ事故が起きるかと言うと、日頃やっている確認をしなかった時に、事故が起こります」と、説明。さらに畳みかけるようにこう言った。

「皆さんには申し訳ないですけど、今日の講習会では『今日は面白い話を聞いた。明日の朝礼で自慢したろ!』という話は一切ありません!当たり前のことを繰り返し言います。なぜかと言うと、<当たり前のことを、当たり前にしなかった結果、事故が起きる>からです」。つまりいちばん大事なことは<確認>を、愚直に実践することだ。安全対策はこの一点に尽きる。

講習の内容は、<ながらスマホ運転の厳禁><決められた順路の走行><指差呼称(しさこしょう)の意義と効果>などなど、プロジェクターに映した『KURS・KLWS<安全対策講習会>テキスト』の内容に沿って、高橋氏は身近なエピソードや自身の経験などを交えて、身振り手振りを交えテンポよく語っていく。

講習を行う講師のKURS高橋克利幹事。

講習を行う講師のKURS高橋克利幹事。

講習中、特に印象に残った2つのテーマ

高橋氏の講習中で、特に印象に残った話を紹介したい。

◎<4つの目視>確認を実践してトラブル回避。

さきほど、安全対策にはただただ当たり前の<確認>作業があるのみと書いた。講師を務めた高橋氏も「事故防止、トラブル回避には、近道や特別なことはありません。当たり前のことを確実にやることしかないんです」と、切々と語る。その上で高橋氏は、最近多発している事故について、特に注意を促す意味で<4つの目視>確認として訴えた。

もちろん事故やトラブルは、すべてダメなのだが、この4点については特に注意するよう、口が酸っぱくなるほど何度も繰り返していた。

皆さんにも覚えていただき、明日から実践できるよう、以下に書き出しておく。

<4つの目視>
❶走行時にホッパーカバーが閉じているか。
❷走行時にシュートは固定されているか。
❸走行時にドラム回転は正転になっているか。
❹バッチャー進入時の補助ホッパーや作業員の有無。

この<4つの目視>確認は、現場を出る前、信号などの停止時、そしてバッチャー進入時などに、わざわざ生コン車から降りなくても、バックミラーを見るだけで行える安全確認動作で、手軽にできるのが良い。「この4つに関する事故は年間に何回かあるんですが、これは目視確認するだけで確実に減りますので、ぜひ皆さんも明日からこの<4つの目視>確認を実践して、トラブルを回避してほしい」。高橋氏は何度も強調した。

◎<キチンとした服装の徹底>で自分・会社・現場を守る。

もうひとつ印象に残ったのは、服装の項目での話だ。

「服装の乱れが、運転や仕事の乱れに出ます。ジッパーやボタンはキチンと閉める。袖口をまくらない。巻き込まれる恐れがあります。ヘルメットの顎ひもや履物も同じです。服装はキチンとする。そうすることで自分が守れます。だから、まず自分を守ることを考えましょう!それならできるはず。そうすれば会社や現場が言っていることが理解できるし、横着もしないはずです。まず服装からキチンとしましょう。そうすれば仕事も丁寧になり、事故も減るはず」と、高橋氏。この話もまったくその通りだ。服装の乱れは、気持ちの乱れにつながりやすい。それをキチンとすることが自分や会社、現場を守ることにつながる。身近で誰もができる簡単なことだが、大切なことだ。

なるほどなるほどと聞いているうちに、高橋氏は「本日は当たり前のことを、長々と話しました」との言葉を残し、約45分の講習を終了。その後、約15分の休憩と質疑応答タイムがあり、最後はKURS副議長の本多裕重氏による閉会の挨拶となった。

KURS本多副議長は、第3回<安全啓発キャンペーン>をアピール

本多副議長は「安全は<自分の目でしっかり確認しよう!>ということを、頭の片隅にいつも置いておくようにしましょう。我々、執行部も、プラントや現場で、皆さんが安全に働けるように必要な意見を訴えていきたい。この講習会のことは、オーナー会を通じて、プラントや輸送会社等に連絡しておりますので、皆さんは、先ほどお渡しした受講済みのステッカーをヘルメットに貼って、自身の意識を高めると共にアピールをしていただきたい。またKURS・KLWSでは、忙しく車の多い年末から、気の緩みやすい年始にかけて、ポスターの掲示や腕章の着用などの行動を通して安全を啓発する、第3回<安全啓発キャンペーン>を実施する予定ですので、ご協力をお願いします」と、キャンペーンの告知につなげた。そして最後には、今後の講習会に生かすべく実施しているアンケート用紙を回収し、KURS・KLWS第5回<安全対策講習会>は終了した。

閉会の挨拶を行うKURS副議長の本多裕重氏。

閉会の挨拶を行うKURS副議長の本多裕重氏。

事例紹介で心をつかむ<特に重要部分>と、各自に自習を促す<重要部分>

今回の講習会で特に目立ったのが、よく考え練られた高橋氏の説明だ。

ぜひ覚えてほしい特に重要な部分は、具体的な事例や自身の体験などを交えながら印象的に話し、重要だが説明が長かったり既に知っている事項などは、後で各自テキストを読んで確認してもらうよう分けている点だ。もちろん前回もそれは意識していたと思うが、今回はより明確に話し分けていた。これにより講習全体にメリハリが生まれ、全体を興味深く聞くことができた。

テキストの内容も毎回同じで、高橋氏自身も「今回も、面白い話はない!」と言い切るが、きっと安全対策委員会のなかで議論を繰り返し、受講者の気持ちを考えて喋る内容を絞り、聞きやすいように、覚えやすいように、眠たくならないように工夫したに違いない。今回、取り上げた<4つの目視>確認についても、話題としてはこれまでも話しているが、今回は<4つ>にまとめたことで特に印象に残った。

KURS・KLWSの講習会は一度受講すればもう充分ではなく、何度でも聞いていただきたい。特に<事故やトラブルは忘れたころに起きる>ため、注意喚起の意味でも、定期的に受講することをお勧めする。

身振り手振りを交えて講習を行う、講師のKURS高橋克利幹事

身振り手振りを交えて講習を行う、講師のKURS高橋克利幹事


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