[続]偽装労組
偽りの連鎖が、今はじまる。
偽りの連鎖が、今はじまる。
2022.01.28
50年間にわたり、生コン業界のドンとして君臨してきた武建一・全日本建設運輸連帯労働組合(全日建=連帯ユニオン)関西地区生コン支部(大阪市西区、以下関生支部)委員長が2021年10月10日に開催された、<関生支部第57回定期大会>で委員長を解任されたことは、業界に衝撃と波紋を広げている。そして今なお、武前委員長支持派がデモや集会で、新委員長に選出された湯川裕司執行部に対して抗議行動を展開している。武前委員長派が、現関生執行部批判の有力な根拠の一つにしているのは、同前委員長が、湯川執行部に途中で発言を中断された<委員長挨拶>だ(2021年10月11日、管理職ユニオン関西の仲村実書記長の『皆さんへ』と題する文書から。衝撃!武委員長解任劇その背景<1>参照)。そこで、同大会での<委員長挨拶>の全文を、2回にわけて紹介したい。この<委員長挨拶>に対する湯川執行部の<見解>は、その後で紹介したい。
関生支部第57回定期大会
委員長挨拶
2021年10月10日
執行委員長 武 建一
関生支部第57回大会に出席された皆様、大会には出席出来なかった組合員家族の皆様。皆様の日頃のご苦労と奮闘、ご協力に敬意と感謝を申し上げます。
そして関生不当弾圧と共に闘う立場の全国の仲間の皆様のご支援・ご協力に、心より御礼と感謝を申し上げます。
本大会は、関生支部56年の歴史の中で、かつて経験したことがないような事態の中で開催されています。本大会が関生の新たな発展に繋がるか、それとも「やられたらやり返す」をかなぐり捨て、敵に屈服して奴隷の道を歩むか、が問われている大会です。
今、関生支部は「関生を語る資格のない者が関生をのっとっている」事態が進行しています。
私は昨年5月28日641日の長期拘留から保釈を実現できました。「巷では5年程拘留する」と情報操作されていましたが、私の保釈は全国の仲間の支援活動と、安倍政権が強引に進めていた黒田検事留任に国民の不満、怒りが爆発して辞任に追い込んだ力に依って実現出来たものです。
➀ 幹部3人-副委員長、書記長、財政部長によるあるまじき行為を正す事です。あるまじき行為とは具体的には特権乱用であり、自分に協力的な人を専従者にしたり幹部の息子を安定した仕事に付けたりしていたこと。
➁ 副委員長が弾圧前に組合員の子供を本勤にする約束があったとのことで「約束があった、無かった」ともめていました。私は副委員長自らその本人と直接会って合意を取り付ける事を求めましたが、それをしなかったことから、組合員が不満と怒りのもと、その副委員長の自宅を訪問するという事態に至りました。幹部がこの組合員を処分することを私に求め、これを私は拒否して「組合員に問題があるとしても、幹部は謙虚にこれを受け止め理解納得に務める」事が幹部の役割といたしました。
➂ 支部財政について、弾圧により組合員は10分の1まで減少して、収入は月100万程なのに月1,500万円の金が必要として浪費されていました。その原因が多くの専従を抱えていることにあります。私は専従を3人以内にすること、組合員は弾圧され裁判・労働委員会を抱えて争議の真っただ中にあるのに、自分で仕事を探し自活している幹部はごく一部であったので、組合の財政を食い潰すことでなく年金だけか、生活保護を取ってでも支部財政を再建しょうと主張しました。またこの支部財政の不足金を生コン会館を売るなどとしているが、これは間違っていると指摘しました。
➃ 東淀川の闘いの拠点であった職場の株と代表権が闘いの実績も無い人に譲渡されていました。このことによりいとも簡単に会社がその譲渡を受けた人によって乗っ取られ、荷主側へ乗っ取られ財産を失っていたのです。これは当時の社長と獄中に居た私の反対を押し切って実行されていました。これは詐欺行為ではないか。譲渡を決めた幹部は、関係者に反省と謝罪、償いをすべきです。(反対意見を押さえるのに弁護士の確認書を利用していたが、この確認書は全く有効性のないものであった。)
➄ 一点突破をするには、敵の嫌がる新プラントの建設に着手すべきであると、昨年8月の執行委員会で確認し、実施体制に入りました。幸い協力者がいるのでこれを実行する事は十分可能でした。ところが、突然新プラント建設に妨害が入りました。プラント建設の土地にセメントサイロを作るとか、骨材ヤードを作るとか、実現不可能な理由を持ち出し妨害するようになったのです。
この様に、私は幹部の活動やあり方の改善を求め、事態打開のための新プラント建設を提案し幹部一同一致した方針として実現するために、先頭に立って実行するようになったその時に、理由不明な反対理由を出して、私の活動を妨害するようになった。その直接のきっかけは、ある副委員長が三重県の有力者と会談した昨年の8月以降でした。
それ以降どのような事が起きたのか。
一つは、政策事項と事業計画をストップするために、(リセット)と称して委員長の私をないがしろした副委員長が「これからは俺が指揮する」といいだし、私以外の幹部に組織の原理原則を無視した活動をするようになりました。(私はこのことを後で知る事になります)
このことが組織に重大な損害を与えることになりました。誤った方針のもとに自分達に都合の悪い事は隠蔽してしまうようになりました。その具体的現われが、次項の「決意書」作成と署名であります。
委員長を蔑ろにする文書
昨年10月18日の大会当日、終了後のクーデタです。大会の終了後に突然20名の執行委員名による「決意書」が私に突きつけられました。(この「決意書」に署名、印鑑を押すのに某法律事務所がその場を提供していたことを、後になって私は知りました。)
その「決意書」とは、「今後の組織運営については、委員長を除く常任をはじめ執行部での集団指導体制での運営を行います」というものです。私との事前の相談も打ち合せも無く、執行委員会での議論も無く、大会でも議論無く、突然出されました。
この時私は、「クーデタではないか、納得出来ない」と反論すると、「今日この様に委員長に意見を出したことに有意義がある」と訳の分からない発言に終始、その後は、露骨に委員長の私を無視した支部運営が今日まで続いてきました。また私を除いた別会議が行われていました。これは組合規約に反し、組織の運営上の原理原則に反していると主張していますが、これも完全無視され、今日に至っています。
この明らかに大会前に署名された「決意書」には、ユニオン会館と労働館について、「早急に5年間を目途にしたその売却先とのリース契約を締結する必要があります」とあります。これは関生支部50周年記念事業として組合員と多くの中小企業のカンパによって建設されたので売るべきではありません。その主張に対しても、「ハコ物がそんなに大事か?」という有様です。
また、委員長の生コン支部の出入りについては最大、月水金、もしくは火木土とするものでした。こうして、午前6時頃出勤する私が出勤し執務している2階に執行委員や組合員が上がる事を制限し、私を孤立させ執行委員や組合員との接触を妨害したのであります。
このように不当違法な手法により委員長を蔑ろにし、委員長職を実質解任して労働組合の組織原理・原則に反する組織運営を今日まで続けてきました。
この理不尽な決定について「口外しないように」との決定を押しつけられ、この屈辱的決定について今日まで耐え忍んできました(次号に続く)。
この<委員長挨拶>は、複数の媒体がネット上で公開したり、他の労働組合幹部などが文書で公開するなど、すでに出回っている。本サイトは、このほど原文のコピーを入手するに至り、公開することにしたものである。関生支部新執行部は「デマや中傷は利敵行為」と武前委員長側を批判しているが、今回、紹介した<委員長挨拶>で指摘されていることについては、何一つ釈明せず、沈黙。<委員長挨拶>の真相は藪の中だ。