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近畿生コン関連協議会

[続]偽装労組

偽りの連鎖が、今はじまる。

偽りの連鎖が、今はじまる。

  1. 衝撃!武委員長解任劇とその背景<7>

2022.05.31

衝撃!武委員長解任劇とその背景<7>

生コン業界のドンとして君臨してきた武建一・全日本建設運輸連帯労働組合(全日建=連帯ユニオン)関西地区生コン支部(大阪市西区、以下関生支部)委員長が、2021年10月10日に開催された<関生支部第57回定期大会>で委員長を解任された。その前後から、新たに新委員長に選出された湯川裕司・新執行部と武前委員長、そしてその支援者との間で暗闘が続いている。

武前委員長<映画>上映チラシに警告

関生支部のホームページ「連帯広報委員会」のニュース(2022年5月14日付)には、―お知らせ―としてこう広報している。

「関西地区生コン支部が展開する産業別労働運動への仲間の皆さんのご協力とご支援に感謝します。また、日頃の関西地区生コン支部弾圧への物心両面にわたるご支援に、心からお礼を申し上げます。さて、「今こそ関生魂を!!激動と根底的変革の時代を共に生きよう!6.4映画「棘2.独白」上映(主催、6.4映画「棘2.独白」上映実行委員会)が、6月4日(土)18:00から文京区民センター2Aで開催するというチラシが配布されています。

このチラシには、連帯・関西地区生コン支部と記された組合旗が、写真で掲載されていますが、この主催者団体らと、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部は、何ら一切関係のないことをお知らせします。

関西地区生コン支部が携わり、関与する集会などのイベントについては、当労働組合発刊の機関紙「くさり」や、当労働組合が作成するホームページの「連帯広報委員会」でお知らせしています。支援共闘の仲間の皆さんには、お間違えのないようにくれぐれもよろしくお願いします。」

前委員長側は<組合旗>を掲げることで正当性を主張しているのだろうが、実際には武前委員長、湯川新委員長にかかわる公判は今でも続いている。例えば、2019年9月4日、武委員長、湯川副委員長(肩書はいずれも当時)の2人が、1億5,000万円の恐喝容疑で京都府警に逮捕された<(有)ベストライナー(以下、ベストライナー)>(京都市)事件がある。同事件で2人は、恐喝で京都地検に起訴され、以後、公判が続いている。それ以前の同年7月17日にも2人は、<近畿生コン(株)>(京都市)に対する6,000万円の恐喝容疑で、京都府警に逮捕、起訴され、この事件もベストライナー事件と併合して公判が行われている。もう一つ、強要未遂、恐喝未遂が争われた<加茂生コン((株)村田建材)>(京都府木津川市)も、さきの二つの事件と併合して公判が行われた。加茂生コン事件では、2020年12月17日、京都地裁は組合員2人に有罪判決を言い渡したが、2021年12月13日、大阪高裁の控訴審判決では一審判決を破棄し、1人は無罪、もう1人は罰金刑の判決となった。同事件で武委員長、湯川副委員長(いずれも当時)について検察側は強要未遂の共謀を主張したが、一審判決で「共謀関係なし」とされている。

さて、今回はこの<京都3事件>のうち、ベストライナー事件を取り上げる。

ベストライナー分会を公然化

京都北部を営業エリアとする生コン協同組合=京都生コンクリート協同組合(京都協組。以下、同協組)があるが、検察側冒頭陳述などによると、ベストライナーは、同協組加盟社<(株)京都福田>の福田俊夫取締役の方針により、1997年頃に設立された同協組専属の傭車会社で、小型ミキサー車を専門に取り扱っていた。ベストライナーは、設立時に同協組から資金の貸付を受けていたが、独自に従業員を雇用し、営業方針を決定して、経理処理を行うなど、同協組から独立した別法人だった。ベストライナーの代表取締役は、京都福田の福田俊夫取締役の知人だった岩本将健氏が就任していた。ところが、2002年頃、ベストライナーの複数の日雇い従業員が、会社の待遇に不満を持ち、関生支部の組合員となった。関生支部は、同年10月15日、ベストライナーの岩本社長に、従業員が関生支部に加入し、会社内に関生支部の分会を立ち上げたことを告げた。いわゆる公然化である。当時の組合員は約10人だった。組合員は岩本社長に従業員の正社員化等を要求したものの、ベストライナーはこれに応じなかった。

京都協組加盟社に出荷妨害で圧力

その後、関生支部は、同協組執行部がベストライナーの設立に関与していていたことから、ベストライナーをめぐる各種の問題の責任は、同協組が取る必要があるなどとして、同協組に様々な要求をすることになった。関生支部は京都協組に加盟する7社のうち、関生支部組合員との間で労使関係があるとみなしていた5社に対して<スト>などと呼ばれる生コンの出荷妨害行為等により、圧力をかけるようになった。同協組には、各社から理事が選出されていた。理事長は、<灰孝小野レミコン(株)>(京都市)の山内敏宏社長、営業本部長は京都福田の福田俊夫取締役、副理事長兼財務担当は近畿生コンの田上正男社長の3人で執行部を形成し、同協組の営業方針を実質的に決定していた。ただ、理事の中で、武委員長(当時)と太いパイプを持っていたのは、<(株)京都生コン>(京都市)の久貝博司社長(当時、のちに閉鎖)であることは、業界人ならだれでも知っている。関生支部組合員による出荷妨害事件が激しくなったのは、関生支部執行委員だった湯川新委員長が、ベストライナー関生支部の分会員になった2008年頃からで、同協組理事らは、分会員だった湯川執行委員ら7人がベストライナーの正社員になることを認めた。

武委員長(当時)は、かねてから同協組加盟各社における労使関係の問題で紛争が生じた場合、解決金の名目で現金を支払うよう同協組に要求していた。この頃も、京都生コン社長で同協組理事の久貝氏に対して、ベストライナー関生組合員の正社員化に係る解決金として、同協組として6,000万円支払うよう要求した。久貝氏をはじめとした同協組理事らは、関生による更なる出荷妨害行為への畏怖から、解決金名目で6,000万円を支払うこととし、同協組で現金6,000万円を用意した。

次回も引き続き、恐喝事件について報告する。

ベストライナーから関生支部への、解決金の流れを示す裏帳簿。
ベストライナーから関生支部への、解決金の流れを示す裏帳簿。
ベストライナーから関生支部への、解決金の流れを示す裏帳簿。

ベストライナーから関生支部への、解決金の流れを示す裏帳簿(画像上・中・下)。

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