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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.11 宝島訴訟3

2020.01.31

Vol.11 宝島訴訟3

偽装労組

「ひとの痛みは我が痛み」。これは、連帯ユニオン関生支部(以降、関生支部)武建一委員長の謳い文句である。本当にそうなのか。「ひとの痛みは我が痛み」ならぬ「解決金は痛み止め」と揶揄される、労働組合の仮面をかぶった偽装労組の正体を、宝島訴訟などから紹介していきたい。

労働者を売り、組合をつぶす

「労働者を売る」「組合を潰す」。これは、故村上省一・連帯ユニオン近畿地方本部近畿セメント支部執行委員長が、自ら体験に基づき語ったことである。村上氏は2003年10月から11月にかけて、同近畿セメント支部執行委員らとともに、同近畿地方本部から権利停止処分、除名処分を受けた。そのため、当時、大阪府門真市会議員だった戸田久和・同近畿地方本部委員長を相手取り、同年11月、処分無効の訴訟を大阪地裁に起こした。村上氏らは大阪地裁、大阪高裁とも処分無効の勝訴判決を勝ち取り、2008年4月、最高裁で確定した。

武委員長に組合員の不信募る

同訴訟の高裁判決などによると、2003年8月、武委員長らは村上氏に対してセメント支部を関生支部に統合することを提案。これに対して村上氏は、「セメント支部の執行委員、組合員の意見を踏まえて決定すべきだ」として、武委員長の提案に賛同せず。セメント支部は執行委員会、支部大会を開催して統合問題を協議したが、圧倒的多数が統合に反対した。なぜ、統合に反対したかというと、当時、村上氏が所属していた住友大阪セメント専属運送会社の甲寅陸運の企業閉鎖・全員解雇をめぐる争議に関し、武委員長が不可解なかかわりと対応をしていたこと、あるいは関生支部の分会がある職場では、正社員を日雇にするという経営方針を積極的に受け入れ、推進するなど組合員の利益に反する行動をとっていたことに不信感を持っていたからだ。

甲寅陸運の偽装閉鎖の裏で解決金

甲寅陸運が閉鎖したのは2002年12月。村上氏らセメント支部分会の組合員が同社社長と交渉したところ、驚くべき回答が返ってきた。「企業閉鎖は労働組合と話し、合意した」。組合側は「組合とはどこの組合だ」と追及すると、社長は沈黙したままだった。また、社長は「経営に自信がないので閉鎖する」とその理由を述べる一方で、「別会社をつくって自分が社長としてやる」と言い出した。このため、セメント支部は、「自信がないと言いながら別会社をつくり、社長をやるというのは矛盾もはなはだしい。認められない」と反対した。この時、会社側が出してきた資料によると、別会社の運転手は正社員ではなく日々雇用で経営するというものだった。交渉に入った直後、会社側はまだなにも言っていないのに、武委員長が「日々雇用で始めたら」と口を挟んだという。同社の別会社計画では、社長の給与は1,050万円、従業員は日々雇用というもので、この提案にセメント支部は猛反発。しかし、武委員長からここでも信じられない言葉が出たという。「社長も労働者だから、生活もある」。結局、閉鎖された甲寅陸運は、商圏はそのまま引き継ぎ三光運送として会社を運営。運転手は関生支部朝日分会からの日々雇用になった。そして、村上氏ら甲寅陸運の従業員が全く知らないうちに、同社から関生支部に1,000万円の小切手が、解決金として支払われていたことが発覚したのだ。

こうした経緯があったからこそ、セメント支部は関生支部への統合に反対したのだった。

セメント支部潰しをねらい、権利停止・除名処分

戸田和久・連帯ユニオン近畿地方本部委員長は2003年10月15日付、20日付で村上氏らに、以下の内容の通知書を送り、事情聴取に応じるようもとめた。

「(2003年)8月31日、セメント支部集会で執行委員が、甲寅閉鎖問題で、『武委員長が独断で合意した』と発言。(同年)9月25日、湖東ブロック学習会で、セメント支部の組合員が『生コン支部(関生支部)が甲寅陸運解決金をもらっている』と発言。(別の)組合員が、『協和運輸和解の際、生コン支部(関生支部)に6,000万円もの解決金が入ったが、自分たちは1円ももらっていない』と発言するなど、多数のセメント支部組合員が、根拠もなく、生コン支部の会計が不透明である等と主張。貴殿の行為は、多くの組合員を扇動し、生コン支部への不審をあおる組織的破壊行為である」。

村上氏らセメント支部の執行部は、通知書を送りつけてきた戸田近畿地本委員長について、同委員長に選出された2003年9月28日の第20回定期大会当時、「組合費を納付しておらず、組合員資格を有していなかった」として、同委員長として認めていなかったため、村上氏らは呼び出しを拒否した。

こうしたことから、連帯ユニオン近畿地方本部はセメント支部潰しを図って2003年10月21日、臨時大会を開催。村上氏らのセメント支部執行部の権利停止処分、セメント支部再建委員会の設立などを可決。セメント支部再建委員会はその後、村上氏らに除名処分を通知した。

処分無効の判決

村上氏らは、これを不当として冒頭のように処分無効の訴訟を起こし、勝訴した。さきの20回大会当時、連帯ユニオン近畿地方本部の代議員数は76名で、うち関生支部60名、トラック支部10名、セメント支部3名だった。「労働者を売る」「組合を潰す」、武委員長と関生支部の実態の一部に過ぎない。次回も引き続きその事例を紹介したい。

連帯ユニオン近畿地方本部が入る生コン会館

連帯ユニオン近畿地方本部が入る生コン会館。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。

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