独占連載「偽装労組」
連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。
連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。
2020.02.28
「労働者を売る」「労働組合を潰す」――連帯(関生支部)が、いかに労働組合の仮面をかぶった偽装労組であるか、その正体を前回に引き続き<泉本組問題>の経過を通じあきらかにしたい。
前回は、当初500万円とされていた和解金(解決金)が180万円まで切り下げられたことに、<泉本組>分会が異議を唱えたことまでを報告した。2003年8月11日、連帯(関生支部)は初めて分会組合員と泉本組との団体交渉を取り持った。この席で泉本組は、分会組合員に、和解金は80万円×8ヵ月プラス一時金での回答を出したが、連帯側は、この日この場で回答されると、逆に連帯の取り分が圧縮されることに危機感を抱き、夜7時ごろ、分会組合員を交渉の場から退出させた。その結果、団体交渉は不発に終わった。その後、武洋一書記長は一連の団体交渉に、分会組合員の代理人として、元社会党衆院議員の和田貞夫氏(故人)や、氏名不詳の複数の人物が介在していることを、同組合員に告げた。もちろん、組合員には寝見に水のことだった。
そして同年8月25日夜7時ごろから11時ごろまで、連帯事務所で泉本分会組合全員(7名)と連帯との和解金(解決金)についての話し合いが持たれた。連帯側からは柳副委員長、武洋一書記長、武谷執行委員が出席した。ここで、連帯側は「30万円×8ヵ月分の240万円で腹をくくれ」と分会組合員に求めた。なぜ、連帯側は当初500万円と言っていた和解金を、半分以上も切り下げたのか、それは、連帯の取り分を増やすためだった。
分会側は、やむなく300万円での泉本組との団体交渉を求めたが、連帯側から「それは絶対無理」と、まだ交渉途中だったのにもかかわらず、泉本組からではなく、連帯側が拒否するという信じがたい態度を表明した。連帯との折衝は「軟禁状態の中で続いたこともあって」(申立書より)、組合員の1人が連帯の提示額を承諾。ほかの6人の組合員も、「その場逃れて納得を装った」(同申立書より)という。こうして、組合員の了解を得たものと判断した連帯は、同年8月30日、泉本分会と最後の打ちあわせを行い、泉本分会事務所明け渡しと、組合員と交わす和解合意案を作成し、それに納得できれば、全員の署名捺印を持って、泉本組との最終団体交渉を行うことなどを約束した。
分会は、連帯の申し入れ通り翌9月1日に、泉本分会を撤退する予定だったが、連帯と分会組合員との最終意思決定も、予定日の同年8月30日に行われず、また、連帯と泉本組との団体交渉の結果報告も和解合意案の提示もなく、放置された。そこで、組合員は泉本組の従業員としての地位を主張するため、泉本組分会事務所に留まることにした。
組合結成から約1年間、上部団体である連帯に加入し、労働条件の改善を求めてきたものの、連帯が団体交渉で得たものは年次有給休暇が4日、時間外労働については全く回答がなく、挙句に、泉本組との団体交渉の結果、組合員を路頭に迷わせ、そのことで連帯が私腹を肥やすなど、許しがたい所業と判断した。分会組合員は、同年9月4日、連帯脱退を決定。連帯事務所を訪れ、錦戸健二財政部長(当時)に脱退届を提出した。その際、錦戸財政部長は「(組合員側は)口約束でも委任しているので交渉は続行します」と答えた。これに対し分会側は、「それはだめだ」と拒否、組合員1人だけが連帯の残ると伝えた。翌9月5日、泉本組分会の連帯脱退を受けた連帯と泉本組は、すぐに泉本分会事務所の立ち退きを求める書面建退共手帳、並びに解雇予告もなく退職証明書等を送り付け、組合員らが退職したとする既成事実をつくろうとしたという。
そして同年9月8日、6人の組合員は泉本組に単位組合結成書を送付。同日、大阪南労働基準監督署(以下、労基署)に出向き、不当解雇や時間外労働などについて告発した。翌9月9日、連帯は泉本分会の看板を取り外し、その場で武谷執行委員が組合員に「立ち退きをしないと大変なことになる」と告げたという。同日、労基署に呼ばれた組合員が、同労基署に問いただしたところ、「連帯と(泉本組)の間で和解合意書が締結されているので、申立人(組合員)の告発には応じられない」と回答した。労基署の担当官は「組合を離れた個人の訴えであり、被申立人(泉本組)と申立人(組合員)とで交わした労働契約は、労働法とは別である」と説明したという。さらに同年9月11日、連帯が泉本組の依頼を受けて「労基署が被申立人(泉本組)を脅迫している」と、労基署に乗り込み、「申立人(組合員)の委任を受けて既に和解合意書が締結されている」と言って、労基署の不介入を迫った。こうしたことから、組合員は泉本分会事務所詰めを24時間体制にして、泉本組での地位保全強化を図った。同年9月12日、泉本組から組合員に雇用保険被保険者離職票が届いた。その離職内容は、<事業縮小>だった。そして本人が署名捺印を行う欄は、泉本組が勝手に書き込んだものだった。虚偽の書類だったことから、泉本組は阿倍野公共職業安定所から厳重注意を受けた。
同日、組合員は泉本組に対して、➀和解合意書不存在及び無効➁出勤➂違法性に抵触する処置――の3点を通知した。
以下、次号に続く。
※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。