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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.21 ヤクザと武委員長2

2020.07.15

Vol.21 ヤクザと武委員長2

今回も、ヤクザと武委員長の関係について検証する。

ヤクザを熟知していた武委員長

「(武委員長は)ヤクザにむちゃくちゃ詳しかった。話聞いてるだけでも、いろんな組の名前がでて来るし。普通そんなんテレビに出てくるとかね、山口組とか、一和会とか、その程度だったら、皆わかりますやん。だけど下部にあるところなんて、ほとんど知りません」。

冒頭の話は、宝島社訴訟で同社側から裁判所に提出された、武委員長元側近の証言の一部である。武委員長が、いかにヤクザ社会と深く関わっていたかその証拠の一部であるが、2006年4月15日に行われた、関生支部阪南ブロック大会での、武委員長の発言からもそのことは伺い知ることができる。同阪南ブロック大会に、武委員長が出席したのは、関生支部内に武委員長が裏書した巨額の手形発行問題や、関生支部の執行部と企業の癒着による会社の閉鎖、労働者の解雇、解決金問題などで組合員の不満が相次ぎ、釈明を求められたからである。この時期、関生支部が<権力弾圧事件>と呼ぶ、第一事件<大谷生コン事件>(2005年1月13日、大阪府警が武委員長らを強要未遂・威力業務妨害で逮捕)、第二事件<旭光コンクリート>(2005年3月9日、大阪府警が武委員長らを強要未遂、威力業務妨害罪で逮捕)に続いた。さらに、第三事件<政治資金規正法違反事件>(連帯労組近畿地方本部委員を兼務していた、戸田まさよし大阪府門真市議=2005年12月8日逮捕=に対する、不正な政治資金提供で2005年12月13日、大阪府警が武委員長を逮捕)と、大阪府警の摘発が続き、武委員長は第一事件の逮捕から1年2ヵ月ぶり、2006年3月8日保釈された直後だった。

武委員長名義の約束手形のコピー。

武委員長名義の約束手形のコピー。

山口組の“鉄砲玉”と“手打ち”?

この大会で武委員長は、労働組合が手形を発行するなど、禁じ手を使った経過と背景についてこう釈明した。

まずヤクザの問題だ。これは第一事件<大谷建材事件>に関わることだ。「大谷建材が(同建材からセメントを購入していた業者に)ヤクザをよこしたわけです。今倉組(現神戸山口組山建組)、今でも山口組の鉄砲玉と言われているのがあるんですが、この今倉組が大谷建材の金主、要するに大谷建材はカネで今倉組を支えていたわけです。だから、今倉組の親分が出てきて、それでどうにもできなくなった。そこで(セメント購入業者から)私に要請があって私が出ていって、最終的に断ったんです。ヤクザだから誰も怖がって商売にも関わりたくないし、そういう高いセメントにしても、切ることができない。私が行って、最終的に今倉組の組長と話をして。いろいろ脅しはあったんですよ。鉛がいいのか、お金を払うか。こんな脅しがあったんですが、そんな脅しなんかどうってことないわけですから。通常でいう取引が、セメントが高い取引なんかできない、だから断るのは当たり前の話じゃないか、ということで断った。断ったら今度は、その代わりにセメントを入れる会社が、ヤクザが入っているからよう出てこなくなった。そこでセメント支部が、じゃあ暫定的に窓口になって、そこへセメントを入れようとスタートしたんです」。

武委員長が釈明するように、「山口組の鉄砲玉」とまで言う今倉組が、タダで手を引いたとは誰しも信じられないだろう。佐々木組系組員による武委員長拉致事件の結末(偽装労組Vol.20記載)と同様、真相は藪の中だ。そもそも労働組合は営利企業ではない。それこそ脱法的に<手形取引>に手を出した端緒にヤクザがらみがあったことは、武委員長自ら釈明したことである。そして、その金額が数十億円まで膨れ、元関生支部幹部が背任で武委員長らを大阪府警に告訴し、関生支部や幹部の自宅が背任容疑で家宅捜索を受けることになった。そして、同阪南ブロックの大会で、関生支部が大谷生コン事件を契機に、生コン業者との<手形取引>を始めた理由についてこう釈明した。

「取引するにあたって、最初、生コン支部が窓口でセメントを入れるようになっていました。要するにヤクザ対策という意味でやりました。その次にバブル崩壊して、仕事がグンと落ち込んだ。手形が回らなくなって、(相手の生コン業者から)売上が少なくなった時にお金を貸してくれと言われ、手形を回り手形から自己手形にした。もともとユニオン(共済)に切り替えるべきだったんですが、銀行の方から、生コン支部の方の信用が抜群にあるけど、ユニオンは実績がない。生コン支部の手形を出してほしいという銀行の要請で、信用が高いということで生コン支部の手形。これが2つ目。3つ目は、もともと労働組合法人というのは表に出ないわけですよ。警察に対する有効な対策として、これがいいだろう、ということで生コン支部になった」。ヤクザ対策、弾圧対策で<関生支部>が手形取引を始めたというのだ。とってつけたような言い訳だが、実は、武委員長はこの手形取引で10数億の利益を上げたことを明かしている。

武委員長のやり方への不満から関生支部阪南ブロックを離脱、大阪自主労働組合を結成した60名の組合員が提出した<決意書>。

武委員長のやり方への不満から関生支部阪南ブロックを離脱、大阪自主労働組合を結成した60名の組合員が提出した<決意書>。

手形取引の窓口は関生

「入ってくるマージン、要するに利益。これはユニオンに落ちるようになるっている。株式会社ユニオンは、生コン業者を相手にセメント販売をやるようになってから、20数年間で10数億円の利益を上げている。ユニオンは利益の窓口だけど、取引の窓口になっていない。だから、生コン支部の分だけ残っているわけです。背任というのは、もともと第三者に被害を与えることになれば、背任になるが、利益を与えているけど、被害はそんなにしていないので、立件のしょうがないから調べもなかった」。

複雑な取引でカネの流れをごまかしていたことだけはわかるが、人を煙に巻いたようなこんな説明では、関生支部の組合員の不信感を募らせるばかりだった。関生支部から組合員の大量脱退が始まったのは、この武委員長の釈明直後からだった。

次回も<ヤクザと武委員長>を追う。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。

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