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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.31 セメント出荷妨害事件で初の有罪判決5

2020.12.15

Vol.31 セメント出荷妨害事件で初の有罪判決5

セメント出荷妨害事件をめぐって、一審・大阪地裁で有罪判決を受けた、<連帯ユニオン関西生コン支部(以下、関生支部)>幹部らの<共謀>の実態について、前回の偽装労組Vol.30に引き続き、今回もお伝えしたい。

グループLINEでやり取り

同判決で西山直洋同支部執行委員・争議対策部長(以下、西山被告)と共に、懲役2年6月・執行猶予5年の有罪判決を受けた、同支部元副委員長の柳充被告は、出荷妨害を行っていた2017年12月12日から同月13日までの間、関生支部組合員らとの通話を繰り返していた他、大阪広域生コンクリート協同組合(以下、広域協)の地神秀治副理事長や、ユニオン会館(通称生コン会館、関生支部事務所)にも電話をかけていた。さらに柳被告は出荷妨害行為の前後、同年12月12日午後5時1分頃から同月13日午後0時27分までの間に、グループLINEにこう書き込んだ。「おはよう。今日も1日ガンバ」「G氏から電話あり」「輸送権の話」「プラント入れた?」「代案考え中」「最小限の被害で、最大限の効果を出すために」「ミキサー車、撤収。アマ車庫へ」「明日から、阪神生コン稼働します」「組合員は行動」「まだ、内緒。親分と話しま」「親分と話をしましたので」。ここに出てくる<親分>とはほかならぬ武建一委員長のことである。こうしたメッセージの他、関生支部と大阪兵庫生コン経営者会との間の協定書の画像を送信している。そのほかグループLINEに、同月12日午前6時48分から同日午前7時2分までの間に、「中央大阪ロックアウト状態」「北神戸の車 桁下で発見」「5から6台」「もっといてる」などのメッセ-ジが送受信されている。

さらに柳被告は、副委員長の七牟禮時夫被告に対し、同年12月13日午後0時24分から同日午後0時26分までの間、「淀川ユニオンOk」「今、経営者会との協定書」「明日から(日々雇用の)朝日分会のみストライキ」「淀川ユニオン レイバースは解除」とのメッセージを送信している。

出荷妨害の状況を適時把握

判決は、こうした一連の<グループLINE>での送受信に加え、2017年12月22日開かれた職場集会で、近酸運輸(株式会社)津守分会員に対する柳被告の発言を踏まえて検討すると、以下のような事実が認められるとしている。

➀柳被告は、出荷妨害行為が行われていた時間帯に、グループLINEを通じて(株式会社)中央大阪生コンの現場の状況を適時に把握すると共に、実行行為者である執行委員の中尾正登被告、副委員長の七牟禮被告らとの通話を通じて、宇部三菱セメント株式会社大阪港サービスステーション(以下、S.S)の現場の状況についても適時、把握していた。

<宇部三菱セメント(株)大阪港SS>への出荷妨害行動。

<宇部三菱セメント(株)大阪港SS>への出荷妨害行動。

地神氏との会合は、ストに向けた<最終交渉>

➁柳被告が発信したグループLINEのメッセージ内容によれば、2017年12月8日に行われた、大阪広域協の地神副理事長と柳被告との会合は、<来週>から行われるストライキ又は行動に向けての最終交渉であり、柳被告は同月12日早朝まで、地神副理事長と<輸送権>の話で連絡を取っていた。そして同12日朝、<輸送権>について地神副理事長と話しをする旨のメッセージをわざわざグループLINEに送信したことからすれば、柳被告と地神副理事長との間の、<輸送権>の話が、12日早朝からの関生支部組合員らの行動選択に関係する事柄であり、かつ、自らが交渉窓口として地神副理事長と対峙することを認識していた。

柳元副委員長が、組合員の行動を指示

➂同月22日の<職場集会>での柳被告の発言内容や、同月11日の柳被告の通話履歴からすれば、同月11日夜、中央大阪生コン敷地内から近酸運輸のミキサー車を退去させるか否かが問題になった際、柳被告は電話をかけてきた副委員長の湯川裕司被告に対し、こう指示した。「最終的には、中尾(正登被告)や大原(明、孫明被告)が自分で判断すればよい」。そう指示を出しながらも柳被告は、翌12日からの関生支部組合員らの具体的行動を想定しながら、敷地内に居座り続けた。あるいは、翌朝、(株式会社)北神戸運輸の車両がやってきたら、車両の前を塞ぐといった具体案を示している。また、柳被告は、最終的にミキサー車を退去させるよう西山被告に伝えており、その結果、西山被告はミキサー車を退去させる判断に至った。

➃加えて、柳被告は同月12日、グループLINEのメッセージで、中央大阪生コン正門付近のミキサー車を撤収する旨の連絡をしたり、翌13日には経営者会との間の協定書の画像を送信するなど、<ストライキ>の収束についても一定の役割を果たした。

次回は、武委員長との共謀の実態について報告したい。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。

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