KURS(コース) /
近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.37 京都加茂生コン強要未遂事件5

2021.03.15

Vol.37 京都加茂生コン強要未遂事件5

昨年2020年12月17日、京都地裁は京都府木津川市加茂町に本社を置く(株)村田建材(通称加茂生コン、以下同社)に対する強要未遂で、連帯ユニオン関西生コン支部(以下、関生支部)の組合員2人に有罪判決を言い渡した。今回はこの強要未遂事件について、武建一委員長ら幹部が共謀したかどうか、検察側の主張、弁護人の主張、裁判所の判断について報告する。

救急車依頼の取締役を脅迫

まず、関生支部京津(けいしん)ブロック担当の執行委員・松尾紘輔被告と、同奈良ブロック担当の執行委員・安井雅啓被告、同組合員・吉田修両被告とが共謀関係にあったかどうかである。判決はその前提として、安井、吉田両被告に共謀関係が成立していたことをこう指摘している。「被告人両名は、村田建材のY取締役(社長の妻)が、関生支部組合員の面前で体調不良に陥った2017年11月27日、村田建材を訪問。救急車を依頼したY取締役に対し、脅迫行為に及んだもので、こうした犯行態様から、Y取締役に対する強要について、両被告の共謀が成立していたことはあきらかである」。さらに、「Y取締役に対する強要行為があったと認められる、同月29日から同年12月4日までの間、両被告とも複数回にわたって同社を訪問して脅迫行為に及んでおり、同年11月27日の強要の際の被告人両名の間の共謀関係は、その後の訪問の際も、行為や監視行為を含めて継続していたと認められる」。

松尾被告の共謀関係は成立

それでは、松尾被告との共謀関係はどうか。判決は、2017年11月27日の強要では、同社の事務所に入っていないことから、両被告との共謀関係は認められないとした。

しかし、同月29日以降の強要は、同社を訪問して両被告と行動を共にし、Y取締役に対する具体的な脅迫行為に及んでいることから、この範囲で共謀関係が成立すると認定している。これに対して吉田被告の弁護人は、「(2017年)12月4日の訪問及び要求行為については、吉田は同社の事務所内におらず、事務所内でのやりとりは一切しらなかったこと、安井被告と松尾被告の同日の言動は、同社が誠実に回答しないことに腹を立てた両名によって突発的になされたもので、吉田にとって予測不可能な事態であり、共謀は成立しない」と主張した。しかし、裁判所はこう指摘し、強要行為についての共謀を認めた。

村田建材に多数回訪問

「被告人吉田はそれまで安井被告や松尾被告と共に、村田建材事務所に多数回にわたって訪問しており、(2017年)12月4日の安井被告と松尾(被告)の訪問と要求行為も、その延長線上にあったといえる」。そして「(2017年)12月4日までの約1カ月半の間、村田建材側は関生支部側にとって、誠実な対応をしてきたとは言えない状況にあり、12月4日も、同社側から同様の対応をされることは、事務所にいた被告人吉田にも十分予測できることからすれば、被告人安井及び松尾の言動についても、同日までにあった被告人両名及び松尾の間に、共謀があったと認められる」。

一方、検察側はこの強要未遂事件について、関生支部の組織実態及び同支部の組織的犯行であることから、関生支部執行委員長の武建一被告と、同副委員長の湯川裕司被告との共謀を主張した。しかし、裁判所はこれを認めなかった。理由は以下の通りである。

武・湯川両被告は共謀関係なし

「検察官が主張する組織実態とは、武を頂点とし、湯川ら6名を加えた7名の常任委員で組織する常任委員会において決定され、それが執行委員に伝達され、各執行委員が構成員に決定内容を伝達して、各組合員が組織の決定事項を実行していたということを指すと解される。確かに関係証拠によれば、村田建材に関して、Aの組合加入を明らかにし、正社員化等を求めて団体交渉を要求することが認められ、本件犯行はこうしたAの組合加入、団体交渉要求に端を発し、関生支部が組織として及んだものとあることがうかがわれる」。

しかし、判決は武・湯川被告との共謀を認めなかった理由についてこう述べている。

「規模が大きく、組織性の高い労働組合の執行委員長である武及び湯川が、被告人らと村田建材の交渉過程、とくに就労証明書の作成が大きな問題となっていることまで把握していたことを、うかがわせる証拠は十分ではない。また、2017年11月27日のY取締役の体調不良は突発的な事態であり、この事実と、その後も被告人ら関生支部組合員がAの就労証明書の作成・交付を要求し続ける事実について、あらかじめ武と湯川が認識を有していたことをうかがわせる証拠もない」として、武・湯川両被告と安井・吉田両被告、松尾被告との間には共謀関係はないとした。

判決は関生支部の≪非道≫を指弾

判決は最後に、安井・吉田被告に強要未遂で有罪判決言い渡したが、<労働組合>としての関生支部の≪非道≫についてこう厳しく指弾している。

 「関生支部との交渉を担当してきたY取締役が、1カ月近くににわたる対応による心理的負担によって、関生支部組合員の面前で救急搬送されるに至り、なお、村田建材の対応が改善しない状況下において、関生支部としては、しかるべき法的手段に訴えるのであればともかく、さらに心理的圧力を加えて要求を通そうとすることは、いかに労働組合であっても許されるものではない」。「被告人らの行動は、もともと組織力・交渉力において勝っていた関生支部が、本件に至るまでの<コンプラ>といわれる組合活動によって既に多大な経済的打撃を受け、その後の度重なる訪問等によって心身ともに弱っていた村田建材側に対して、さらに強度の圧力を加えて要求を押し通そうとするものであるという点からも、是認することはできない」。

次回は、朝日新聞と反社会的勢力・関生支部との癒着について明らかにする。

強要未遂事件の舞台となった加茂生コンの事務所。

強要未遂事件の舞台となった加茂生コンの事務所。

※記事をより読みやすくする目的で、偽装労組Vol.4から、強調の意味での「 」や、新たに登場する会社名については、2回目以降の(株)表記を省略しています。

協賛団体

PAGE TOP