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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.48 武委員長 威力業務妨害・恐喝未遂で有罪判決3

2021.08.31

Vol.48 武委員長 威力業務妨害・恐喝未遂で有罪判決3

今回は、有罪判決となった武被告の、準大手ゼネコン(株)フジタ(東京都渋谷区、以下、フジタ)に対する恐喝未遂罪についての、大阪地裁の判決理由を紹介する。

関生の権力行使がフジタの営業の自由を優越と主張

この事件について、武被告の代理人弁護士は、「関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、通称、連帯ユニオン関生支部、以下、関生支部)組合員の、正当な権利行使により実現される公益の確保は、フジタの営業の自由に優越するから、違法性は阻却される」などと、超法規的理由を挙げて無罪を主張した。これに対して大阪地裁判決は

(1)関生支部組合員らの行為は、4ヵ月にわたって行われ、チェリオ(中堅飲料水メーカー・(株)チェリオコーポレーション、京都市南区、以下、チェリオ)第2期工事(滋賀工場第2期工事、滋賀県東近江市、以下、チェリオ第2期工事)の現場では、連日のようにコンプラ活動(Vol.6関生支部<コンプラ>の実態)を繰り返した。また、フジタが施工するそれ以外の工事現場においても、複数回コンプラ活動を行い、さらにフジタ大阪支店(大阪市北区)前及びフジタ本社前で、フジタの施工する工事現場における、法令違反その他の不備を非難する内容の街宣活動、又はビラ配りを行った。その行動範囲は、チェリオ2期工事の現場を中心にフジタの施工する現場、フジタ(本社)、フジタ大阪支店(大阪市北区)、フジタの親会社である大和ハウス工業(株)(大阪市北区)など複数個所に及んだ。

(2)湖東協組(湖東生コンクリート協同組合、滋賀県東近江市、以下、湖東協組)組合員らの行為をみると、副理事長の北川義博被告は、チェリオ2期工事が開始されるや、フジタの子会社である藤田商事(株)大阪支店(大阪市北区)支店長らに面会を求め、同支店長から「ダイセイ(株)(滋賀県東近江市、以下、ダイセイ)の生コンを使用する予定である」旨を伝えられると、「たいへんなことになりますよ」などと発言。後日、同支店長と面会した際も、「滋賀のほうもごたごたしていますし、大阪でも何があるかかもしれまへんなあ」などと不穏当な発言をした。

(3)こうした北川の発言内容に加え、➀北川発言の直後、又はその時点で関生支部組合員らによるコンブラ活動が現に行われた➁フジタ大阪支店から藤田商事に対し、コンプラ活動を止められないかなどの問い合わせがあった。こうしたことに照らせば、関生支部及び湖東協組の各組合員らによる行動は、客観的に見て、フジタに対し、チェリオ2期工事に係る生コンの供給契約の相手方を、ダイセイから<湖東協組>登録販売店の近江アサノコンクリート(株)(滋賀県甲賀市)に変更しなければ、コンプラ活動等でフジタの施工する工事を妨害したり、フジタを含む大和ハウスグループの信用に、害を加えたりする気勢(何かしょうと意気込んでいる気持)を示したものと認められる。

(4)以上に加え、➀関生支部執行委員の城野正浩被告が、情報交換会で積極的に発言したり、北川被告に電話で指示を与えたりしたこと➁大和ハウス工業の職員との面会時における、城野被告の発言を踏まえると、関生支部及び湖東協組組合員らの各行為は、チェリオ2期工事に係る生コン供給契約に関し、相互に情報交換を行いながら連携を取り、チェリオ2期工事の施工に関し、フジタに強い圧力をかけ、ダイセイから、湖東協組の登録販売店である近江アサノコンクリートに、生コン供給業者を変更させる要求をする趣旨で行われたものと認められる。

(5)以上によれば、これまで明らかにしてきた関生支部及び湖東協組組合員の行為は、脅迫により財産上不当の利益を得ようとするものといえ、これが恐喝罪の実行行為に該当することはあきらかである――としている。

執行委員会でダイセイ排除へ取り組み強化

さらに、判決は<共謀>について、以下のように述べている。➀関生支部では、武被告も出席する日常的な意思決定を行う常任委員会があり、常任委員会と執行委員で構成される執行委員会により、常任委員会の決定事項が伝達され、順次、下部組織であるブロック、分会に伝達される➁武被告は、2013年12月21日開催された学習会で、「滋賀県全体が、湖東と我々が連携してアウト対策、越境対策してるから、値上げ効果が出てきた。この効果を県下全体に広げていこう、こう言う動きです。生コン支部がなかったらこんな事出来ない」などと発言。➂2017年4月9日、5月14日、6月11日、7月9日、8月6日、9月10日に開催された、関生支部の執行委員会で、武執行委員長の問題提起として、「(7)滋賀県関連協組→Ð社への取り組み集中して結果を出す」との記載のあるレジュメが作成された。ここでいうÐ社とはダイセイのことである。➃武被告は自身の手帳の2015年2月9日の週の頁に、「湖東は、工組改革全力つくす。ダイセイ8物件が協組にきた」と記載している。

武被告、チェリオ第2期工事の獲得に同意

判決はこうした事実から、武被告は滋賀県でアウト対策及び越境対策をしたことにより、生コン価格が上昇してきたこと、滋賀県内にアウト社であるダイセイが存在していたことを、認識していたことはあきらかであると断定。以上の事実に加え、北川及び朝夷(健治、湖東協組理事)両被告の各供述によれば、武被告は2017年6月23日、北川及び朝夷被告から、チェリオ2期工事の生コン供給契約を獲得したい旨の話をされた。その際、これに肯定的な態度を示すとともに、城野被告が動いている旨を伝えるなどした。こうした事実を併せて考えると、武被告は共犯者らと意思を通じ合い、チェリオ2期工事に係る関生支部組合員らの活動や、湖東協組の関係者の行動を認識した上で、これを容認していたものと推認することができる――として、武被告の共謀を認定している。

次回は、有罪判決となった威力業務妨害罪について報告する。

(株)フジタ大阪支店が入る建物(大阪市北区、写真中央)。

(株)フジタ大阪支店が入る建物(大阪市北区、写真中央)。

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