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近畿生コン関連協議会

独占連載「偽装労組」

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

連帯ユニオン関生支部の正体を暴く。

  1. Vol.49 武委員長 威力業務妨害・恐喝未遂で有罪判決4

2021.09.15

Vol.49 武委員長 威力業務妨害・恐喝未遂で有罪判決4

今回と次回は、有罪判決となった、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(通称、連帯ユニオン関生支部、以下、関生支部)委員長・武建一被告の威力業務罪について、大阪地裁の判決を紹介する。

威力業務妨害罪は4件

威力業務妨害罪で有罪となったのは、これまで紹介しているように4件だ。内訳は、➀大阪市港区海岸通4丁目の宇部三菱セメント(株)(以下、宇部三菱)大阪港サービスステーション(以下、大阪港SS)での(株)植田組運送店(以下、植田組)のパラセメントの出荷妨害(2017(平成29)年12月12日事件)➁大阪港SSで植田組のパラセメント出荷を妨害(同年12月13日事件)➂(株)中央大阪生コン(大阪市西成区、以下、中央大阪生コン)で、同社の生コン出荷を妨害(2017年12月12日)➃ダイワN通商(株)(大阪府高槻市、以下、ダイワN通商)の大阪港SSでのパラセメント出荷を妨害(2017年12月13日)である。

武被告側は<損害ほぼなし>と言い逃れ

公判では、武被告の弁護人は「威力業務妨害罪の構成要件に該当しない」「武被告と西山被告らとの共謀関係はない」などと主張した。しかし、判決は、「威力業務妨害罪における<威力>とは、人の自由意思を制圧するに足りうる勢力をいい、<威力を用いて業務を妨害する行為>とは行為の態様、行為当時の状況、業務の種類等を踏まえ、一般人であれば心理的な威圧感を覚え、円滑な業務の遂行が困難になるような行為を意味すると解される――」として、4つの事件について検証、威力業務妨害罪の構成要件に該当すると認めている。

さらに、武被告の弁護人が、これまでと同じく、宇部三菱及び中央大阪生コンには損害はほぼ発生していないと主張し、同被告の威力業務罪の罪を逃れようとしたことについて、こう反論し、否定している。まず「そもそも損害の発生は威力業務妨害罪の構成要件ではない」と弁護人の見当違いを指摘。そのうえで、2020年10月8日、西山直洋執行委員・兼争議部長(以下、西山被告)柳充元副委員長(以下、柳被告)に言い渡された一審判決(懲役2年6月、執行猶予5年)と同様、実際に損害が発生したことを、武被告の場合も、同様にこう明らかにしている。「植田組及びダイワN通商については、実際に大阪港サービスステーションへの入出場が妨げられたことにより、平常の業務に比して追加費用がかさみ、損害が発生したことが認められる。中央大阪生コンについても、グループ会社から応援を呼ぶ必要に迫られたり、平常の業務に比して生コンの出荷が遅れたりし、ミキサー車の故障の原因となり得るような状態まで生じているから、損害が発生したことが認められる。そして、これらの損害が刑法上問題とならないほど軽微であるとは言い難い」。何ら法律的根拠もなく、<ゼネスト>と称して業務を妨害しておきながら、「ほぼ損害は発生していない」などと、<労働組合>を名乗れば何をやってもいい、という武被告と関生支部の本質を露呈した、業務妨害事件である。

西山被告が情報収集し、指示

判決は、次に武被告と組合幹部との共謀についても、詳細に解明している。すでに当サイトでも『出荷妨害事件で初の有罪判決(Vol,27~32)』『続・出荷妨害事件の真相(Vol,39~42)』などで詳細にあきらかにしているが、武被告が有罪判決となったとなったことから改めて紹介したい。

まず、西山被告と出荷妨害事件の実行者との共謀である。西山被告自ら認める通り、同被告は関生支部の争議対策部長として、実行者の人員配置を決定し、配置表を作成した上、実行当時、関生支部が本部を置くユニオン会館(通称、生コン会館)において、統括・調整役を担い、臨時電話で現場の情報を収集していた。西山の指示により、大阪港SSには、ほかのSSよりも多くの人員が配置され、途中で増員もされた。西山の携帯電話には、大阪港SS及び中央大阪生コンにいた七牟禮時夫(関生支部副委員長)被告ら幹部との通話履歴が複数回残っていた。判決は「西山の供述を踏まえると、西山は、大阪港サービスステーション及び中央大阪生コンにいた関生支部組合員らと煩雑に連絡を取り合い、情報を収集したうえで行動の指示を出していたと推認することができる」としている。以上、明かにした通り、西山被告は、実行行為の時期や内容を事前に把握。その実現のため、近畿バラセメント輸送協同組合(大阪市東淀川区、毛屋和重理事長、以下、近バラ協)に対し、2017年12月6日、「同月12日からサービスステーションをストップする。植田組、ダイワN通商といった近バラ協に加入していないバラセメント業者には厳しくさせてもらう」旨を発言。同月12日から大阪港SSの出荷業務を止めることを表明し、近バラ協に協力を仰いだ。以前にも書いたが、同月11日、西山被告は関生支部組合員とともに中央大阪生コンを訪れ、12日から<ストライキ>を実行することを前提に、近酸運輸(株)(兵庫県尼崎市)のミキサー車を、中央大阪生コン敷地内に留め置くことを要求していた。その西山被告は、なんとも往生際の悪いことに、こんな供述をしていた、「ダイワN通商の運転手が<ストライキ>に協力した者がいたとの報告を組合員から受けた」「組合員らの行動(ストライキと称する出荷妨害)は、予想外だった」。罪逃れのためのウソにしてはあまりにも見え透いている。

次回は、柳充(元副委員長)被告と実行行為者らとの共謀について、判決の内容を書く。

関生支部組合員らが入出場妨害を行った、宇部三菱セメント(株)大阪港サービスステーション。

関生支部組合員らが入出場妨害を行った、宇部三菱セメント(株)大阪港サービスステーション。

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