KURSレポート
KURSや仲間の活動情報をタイムリーに。
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2024.05.15
2024年4月21日(日)、大阪府立労働センター(通称:エル・おおさか、大阪市中央区)の会議室において、近畿生コン関連協議会(以下、KURS)と関西労供労組協議会(以下、KLWS)主催で、一般社団法人西日本建設関連オーナー会(以下、オーナー会)が協賛する<安全対策講習会>が開催された。
今回は、KURS・KLWSが初めて自らが主体となって開催する生コン車ドライバー目線の<安全対策講習会>だ。
講習会は、日曜日の午前中にも関わらず、KLWSを中心に100名を超える仲間が集まり、生コン車ドライバーの安全に対する意識の高さがうかがわれた。
今回、KURS・KLWS主催という形での開催を決めた背景には、これまで3回(内、1回はプレ開催)の<安全対策講習会>を行い、ドライバー自身もそれぞれ安全作業・安全運転を心がけてきたにも関わらず、事故がなかなか減らないという現実があるからだ。
これまで開催してきた講習会は、KURS・KLWSと労使関係にある、オーナー会協賛のもと、大阪広域生コンクリート協同組合(以下、広域協組)や関西広域輸送協同組合など、関係団体の協力を得、講師の派遣を依頼して2度開催してきた。もちろんこれまでも、労使どちらも真剣に取り組んではいるのだが、どうしても労組側が受け身に感じてしまうのを否定できない。
そこでKURSとKLWSでは昨年、自主的に<安全対策委員会>を立ち上げ、各労組の幹事や主要なメンバー約50名を前にプレ開催を実施。それを受けて各組織代表や現役ドライバーが話し合い、問題を抽出して意見やアイデアなどを出し合って、ブラッシュアップしたオリジナル版<KURS・KLWS安全対策講習会テキスト>を作り上げた。そして4回目となる今回、こうして出来上がったテキストを使い、我々の仲間であるKURS幹事の高橋克利氏が講師となり、講習を行うということとなった。労組自身がテキストをつくり講習会を行うのは、全国でも珍しい試みではないだろうか。
今回作成したオリジナル版<テキスト>は、以前、KURS・KLWSがまとめた研修用ビデオマニュアルのガイドブック<生コンワーカーの実務>をベースに、パワーポイント(プレゼンテーション作成ソフト)の機能を駆使してつくっているため、人前で喋る経験のない人でも、このテキストを使えば、各労組や少人数のグループでも講習会を気軽に開催できるようになっている。
講習会は、KURS議長の寺岡正幸氏から、’24春闘の現状報告や、講習会の経緯や意義などに関する挨拶があった後、高橋氏が講師となって講習会がはじまった。高橋氏は、自らもドライバー経験があることから、ときにテキストを離れ、これまでの自身の体験や、ドライバー側の気持ち、また建交労(全日本建設交運一般労働組合)関西支部で労供事業に携わっていることから、そこでドライバーから見聞きする話などを交えながら講習を進行。途中、休憩を挟みながら、約90分の講習会を終えた。
終了後のアンケート内容の集計結果がまだ出ていないため何とも言えないが、これまでに比べて、テキストの内容も高橋氏のトークも、よりドライバー目線であり、参加したKLWSのドライバー仲間にも、より腑に落ちやすかったのではないだろうか。質疑応答の後は、KLWS議長の松居順一郎氏が挨拶。講師を務めた高橋幹事へのねぎらいの言葉と、今講習会の’24春闘への影響などについて述べ、講習会は終了した。
終了後は、会場の外で円陣になり講習会の意義を再確認する労組もあり、自主性と意識の高さが際立った素晴らしい講習会となった。この日、学んだことは今後の仕事に、必ず活かしていただきたいものだ。また事故やトラブルは、忘れたころに発生するもの。何より継続が肝心だ。今回、作成したテキストを活用して、ぜひ各労組で繰り返し講習を行なっていただきたい。
最後になるが、2024年4月24日に行われたオーナー会とKURS・KLWSの<2024年春闘>最終交渉の席上でも、合意・調印後の歓談の中で今回の講習会が話題となり、講習内容を労使で共有する意味でも、また労組側のこのような地道な自主活動を経営側に伝える意味でも、当日使われた講習テキストを、オーナー会加盟各社に配送したいとの要請があり、増刷・発送を行なったことを記しておきたい。