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近畿生コン関連協議会

推しプラ


あなたの[イチ推しプラント]はどこですか?


あなたの[イチ推しプラント]はどこですか?

  1. Vol.14 自分で考え自分で動く、<新しいワークスタイル>。

2024.07.16

Vol.14 自分で考え自分で動く、<新しいワークスタイル>。

生コンワーカーの目線で、近畿地域の<イチ推し生コンプラント(工場)>をご紹介する、新企画『推しプラ』。Vol.14は、広域協組・北ブロックの< (株)ワールド>(以下、同社)だ。

同社、また同社を含む<ナニワグループ(以下、同グループ)>は、これまでの生コンプラントとは一線を画している。その大本にあるのが、昭和の悪習<ワンマン経営>からの脱却だ。あえて言うが、同社がこれまでワンマン経営だったのではない。これからの時代を見据えた同社の結論なのだ。社員や社長の笑顔を見れば、職場の雰囲気の良さ、働きやすさはご想像いただけるだろう。

会社は方向性を打ち出し、社員は自分で考えて動く。技術力も高める。一方で昭和の良い部分、社内コミュニケーション(飲みニケーション)も大いに残す。一見、矛盾しそうだが、社員はイキイキしている。会社目線では<新しい経営スタイル>。社員目線では<新しいワークスタイル>。ここからは学ぶべきことは多そうだ。

満面の笑顔で取材対応をしていただいた、代表取締役の藤中昌則氏(左)と、工場長でナニワグループ技術部長の久世武氏(右)。

満面の笑顔で取材対応をしていただいた、代表取締役の藤中昌則氏(左)と、工場長でナニワグループ技術部長の久世武氏(右)。

【会社概要】
大阪市のベッドタウンとして、物流拠点として発展する地域を支え続ける。

同社が立地する茨木市は、南北に細長い。南は大阪市内の都心に近く、北は京都府亀岡市に接することから、豊かな自然が残り、教育や福祉も充実したとても暮らしやすい地域だ。同社の敷地は、その最南端にある。同市は、今でこそ想像できないが、1948年の市制施行後は、税収の見込める産業がないうえ教育費などが負担となり、市政運営はたいへん苦しかった。

同市ではそれを乗り切る策として、経費を削減し工場の誘致を実施した。ただし工場誘致は環境に配慮し<緑の街にふさわしい公害を伴わない軽工業に重点を置き誘致を進めた(茨木市ホームページより)>。その結果、従業員300人以上の10工場が当地にて操業を開始。この施策の成功が、現在の茨木市発展の基礎を築いたと言っても過言ではないだろう。

その後、同社の立地する市域南部には、1876年にJR茨木駅が、さらに1928年には阪急電鉄京都本線茨城市駅(当時は茨木町駅)が開業。そして1970年の日本万国博覧会開催に併せて整備された大阪モノレールや、阪急京都線南茨木駅の開業を機に、駅前を中心として商業施設、住宅などが整備され大いに賑わいを見せた。現在では大阪市のベッドタウンとして大いに発展。一方、道路は、1963年に名神高速道路吹田ジャンクション(一部が茨木市の飛び地)が完成し、翌1964年には大阪中央環状線の下穂積〜味下間が開通。高度経済成長の開発ラッシュもあり、生産拠点や物流拠点として、また都心に近く自然が豊かで住みやすい郊外の街として、現在も賑わいをみせているのは周知の通りだ。

現在、同社の代表取締役を務める藤中昌則氏は、そんな茨木市を中心に、お父様の代から生コン・生コン材料の販売や輸送等を担う浪速建資産業(株)、生コンを含む建築資材を扱う(株)大阪誠建、生コン製造販売の同社とナニワ生コン(株)(本社工場・尼崎工場)、そして美味しい焼肉丼の『おぼや』で構成される同グループの経営に携わっておられる。

そして、同じように当地で生コン関連事業を経営され、以前から藤中氏やお父様と親交のあった方から、2013年12月1日に、藤中氏が生コンプラント、旧(株)ワールドを事業継承。新生(株)ワールドを、同グループの一員に加えて再始動させたのだ。

前オーナーが廃業予定だった同社は、当初から厳しい経営状況だったが、グループ力で何とかカバーをと考え懸命に奮闘した藤中氏。しかし激しい価格競争が続いた当時の業界で、アウトサイダー(協同組合未加盟)だった同社は大苦戦。2015年の広域協組大同団結を機に、同協組に加盟することで、ようやく安定経営へと舵を切ることができた。

時期を同じくして同市では、2018年に新名神高速道路(神戸JCT〜高槻JCT・IC間)が完成したことから、物流のターミナルとしての機能が拡大。新規の案件も増えていった。同社工場長の久世武氏も「出荷エリアのなかでも吹田市や摂津市、茨木市の南部あたりはやはり住宅・マンションの需要が多いですけど、高槻市あたりは道路網整備の影響で、物流倉庫の建設が活発ですね。今日も大手ゼネコンによる大規模物流倉庫の建設工事が続いていますし、まだまだ増えそうですね」と、笑顔で語ってくれた。

このあたりは、吹田市の端や高槻市の端に行くにも、あまり時間がかからず、輸送の面では非常に便利な立地。大阪市のベッドタウンとして、また物流拠点として発展を続ける茨木市において同社は、これからも販売・製造・輸送の三位一体パワーを結集して、暮らしや産業のインフラ構築を、足許から支えてくれることだろう。

 (株)ワールドのサイロ群。

(株)ワールドのサイロ群。

≪プラント概要≫

所在地 大阪市茨木市宮島3−3−27
設立 平成25年12月1日
代表取締役 藤中 昌則
社員 7名
出荷量 約60,000㎥/年(23年実績)
ミキサー 1基(2,750L)
生コン車台数 浪速建資産業(株)(グループ企業)に、全車傭車として委託
(10t;34台、7t・8t;17台、5t;7台、3t;6台)

≪ご協力いただいた方々≫

●代表取締役 藤中昌則氏
●工場長 ナニワG技術部長 久世武氏
●試験課 進士貴紀さん

【地域貢献】
清掃から寄付、見学・研修まで、仕事や地域との関係性を重視。

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任つかう責任
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

同社と同グループが行う活動のなかでも、地域貢献は大きなウェイトを占めている。

例えばコロナ禍前までは、<6S活動>の一環ということで、月に1回、グループ全社を挙げてプラント周辺の清掃を続けてこられた。「ウチの敷地周辺はトラックからのポイ捨てが多くて、すぐにゴミ袋が一杯になるんですよ」と、眉をひそめる久世氏。それでも続いているのは「…それが続けていると、少しずつだがマシになってくるんですよ」と、今度は表情が明るくなる。これぞまさに地域貢献!と言える活動だ。

そんな同社は、清掃以外にも様々な地域貢献活動をされている。以下に代表的な取り組みを紹介する。

社員総出での周辺清掃。写真は(株)大阪誠建の近隣。

社員総出での周辺清掃。写真は(株)大阪誠建の近隣。

◎仕事や地域との関係性を大切に行う<寄付活動>

まずは寄付活動だ。同社は3年前から、茨木市への寄付を続けておられる。その行動のもとになっているのが、<ナニワグループは社員・家族・顧客・取引先と共に歩み社業を通じてそれぞれの幸せを実現し、社会の進歩に貢献する>という、同社と同グループの企業理念だ。その精神はグループ各社で共有され、大阪誠建ではこの3年ほど、茨木市内にある<社会福祉法人とよかわ福祉会>が運営する<さいのもと保育園>への寄付が行われている。

同社と同グループ、そして藤中氏には、自分だけが良かったら良いという考えはない。先述の企業理念にあるように、常に社員・家族・顧客・取引先、そして(地域)社会に対する優しい眼差しがあることから、昔から業界団体の代表等も務めてこられた。だから無闇に寄付をしているのではない。「例えばその保育園も、建設時に生コンを納入させていただいたご縁で、今も寄付をさせていただいているんです」。つまり藤中氏は、仕事や地域との関係性を大切にしておられるのだ。

ほかにもグループ企業のナニワ生コン本社では、藤中氏と親交のあった、星野仙一阪神タイガース元監督の遺志を継いで<あしなが育英会>に寄付。また<Panasonicスタジアム(吹田市)>建設の際にも、大阪誠建に加えて藤中氏個人でも寄付、年間チケットの購入もしておられた。

>茨木市への寄付に対する感謝状(左側)と、さいのもと保育園への寄付に対する感謝状(右側)。

茨木市への寄付に対する感謝状(左側)と、さいのもと保育園への寄付に対する感謝状(右側)。

◎<見学会・職場体験・研修>など、社業を通じた地域貢献の取り組み

地域貢献は、寄付だけではない。保育園の園児を招いて、生コンプラントの見学会を開催。生コン車の運転席に乗せたり、現場へ連れて行ったり、子供達に人気のアニメキャラクターの型に生コンを流し込んでコンクリートの人形をつくったり(完成後に贈呈)と、社業を通じた取り組みは大好評だったという。

また藤中氏のご子息も通われていた、豊中市立第十一中学校の課外学習のテーマのひとつとして生徒を受け入れ、子供用のヘルメットや制服をあつらえ、3日間のカリキュラムを組んで、職場体験と見学を行っておられる。この取り組みはコロナ禍まで続けられたが現在は休止中。藤中氏は「ぜひまたやりたい!」と、熱意をみせてくれた。そのほか、企業を対象に<生コン工場研修>を実施。大阪誠建のお客様であるゼネコンの新人研修の一環として、年間に5〜6社、10年近く続けておられる。

これらの地域貢献活動は、地域のためだけではなく、また同社のためだけでもなく、業界に対する理解度アップやイメージアップにもつながる。通常業務との調整あるためなかなか簡単ではないと思うが、地道に続けていただきたい。

地元中学生の職場体験。写真はナニワ生コン (株) 本社工場で行われたもの。

地元中学生の職場体験。写真はナニワ生コン (株) 本社工場で行われたもの。

【福利厚生・働きやすさ(社内コミュニケーション)】
自分で考えて動く<新しいワークスタイル>で、ワンマン経営から脱却。

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 5.ジェンダー平等を実現しよう
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

同社と同グループが、仕事をするうえで大切にしておられるのが<社内コミュニケーション>、つまり情報や気持ちの共有だ。それは、同グループのホームページに書かれた<社長挨拶>や<企業理念>を見ていただいても、ご理解いただけるだろう。それを端的に示しているのが会議やミーティングの数だ。

藤中氏は「ウチは会議やミーティングが多いですよ」とおっしゃる。久世氏にうかがっても同じだ。実は藤中氏が、同社や同グループを経営するに際して最も重視されたのが、昭和の悪習とも言える<ワンマン経営からの脱却>だ。そのためには会社の方針を定め、全社員が同じ方向を向いていかなければならない。さらに社員一人ひとりが、自分で考え自分で動く体質を身につける必要がある。そこで日々の終礼(始業ミーティングは別途後述)のほかに、毎月の定例会議や安全ミーティングなど、基本的な会議のほかに、グループ各社を横断して各社の主任だけが集まる主任会や課長会などがあり、企業間の情報共有やコミュニケーションの円滑化を図っておられるのだ。しかし、堅苦しい会議で、そんなにモチベーションが高まるのだろうか。そのことについては、お二人の話をうかがって謎が解けた。

実は会議テーマのなかでも、特に重要な<ナニワグループ品質安全大会>については、年に一度、社員と協力会社を含めて100名以上が集まるが、会議の後に必ずお楽しみがあったのだ。「実は、終了後のBBQが楽しいんですよ(笑)」と、久世氏。藤中氏も「後にBBQがありますから、みんな段取りが良いですよ(笑)」と、続ける。BBQ効果もあって大会は好評で、15年以上も続いているという。また全社員が集まる<ナニワグループ方針発表会>の後も、毎回、懇親会が行われている。

方針を定め、それに向かって全員で頑張り、全員で楽しむ。<ワンマン経営>でなくても、皆の総意で会社がまわるように、情報を共有し、気持ちをひとつにする。そのためには多くの会議やミーティングが必要なのだ。そしてそのための行動を円滑にするのがBBQや懇親会、つまり<社内コミュニケーション(飲み二ケーション)>なのだ。この両方に手を抜かないからこそ社員や協力会社が動く。

このほかにも社内コミュニケーションの円滑化を図るため、生コンプラントとしては珍しいが、<ハラスメントセミナー>への参加や、人材育成企業のセミナーなども取り入れておられる。

最近の若者は、社内コミュニケーション(飲み二ケーション)を好まないと言われるが、先輩方が<ハラスメント>を理解していれば、そんな風潮も気にならなくなるのか、同社の事例(ブログアドレスhttp://www.osakaseiken.co.jp/blog/staff.php)を見る限りは、働きやすい、理想的な職場としか見えてこない。

もちろん福利厚生も、社会保険・厚生年金など基本的なものは当然カバーしている。そのほかロッカーとシャワーを備えた休憩室や女性専用トイレの設置はもちろん、休日については、土曜日を出荷量によって久世氏と社員とでやりくりしながら年間休日105日を確保。忘年会や新年会は毎年実施し、研修(慰安)旅行もコロナ禍を除いて年1回、国内旅行と韓国旅行を交互に開催するなど、社員にはうれしい環境だ。

これらの取り組みや労働環境こそが、同社が、これからの時代を生き抜く強さにつながるに違いない。

千里阪急ホテルで開催された<第19回ナニワグループ安全品質大会>の第一部。会議では皆真剣です。

千里阪急ホテルで開催された<第19回ナニワグループ安全品質大会>の第一部。会議では皆真剣です。

夜桜を愛でながらの焼き肉!服部緑地公園で行われた<お花見の会>。

夜桜を愛でながらの焼き肉!服部緑地公園で行われた<お花見の会>。

【安全対策】
自主性を重んじるのが、同社ならではの安全対策。

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

同社と同グループ各社には、個社単位で正副2名の安全委員を決めて、毎月、安全ミーティングをやっている。さらにその内容を持ち寄って同グループ全体の安全委員会を開催。そして年に1回、各社の協力会社さんなどを呼んで<ナニワグループ品質安全大会>を行い、取り組みの確認や今後のテーマの発表などを行っている。また社屋1階の掲示板には、ときどきのスローガンや注意事項などを掲示して、安全啓発活動を行っている。そして同グループの本気度がうかがえるのが<安全パトロール>だ。

安全委員は、会議室だけでなく半年に1回、グループ内の別会社に出向き、第三者の視点で社内や構内をパロールして危険箇所を指摘し合うなど、具体的な活動で安全対策を行っている。もちろん指摘箇所は改善して、改善後の報告は比較写真をブログ(共有LINE)にアップして全社員に共有される。

そしてドライバーの<始業ミーティング>については、敷地が狭いため、先に述べた1階の<啓発掲示板>を見てもらうようにしている(生コン車の台数が多いときは各傭車会社の班長に集まってもらって口頭説明や啓蒙看板を見てもらうなどで対応)。各社のドライバーには、その日の出荷先様のルールや特に注意が必要な事項などが書かれた掲示板を見てもらい、理解したら自身でサインをしてもらうというルールで安全啓発をしている。このように仕事だけでなく、安全についても自主性を重んじるのが、同社ならではの安全対策だ。

<安全パトロール>が指摘し、濡れると滑りやすい階段のステップに、虎テープを貼って注意喚起(改善)している。

<安全パトロール>が指摘し、濡れると滑りやすい階段のステップに、虎テープを貼って注意喚起(改善)している。

社屋1階の<啓発掲示板>には、その日の出荷先様のルールや特に注意が必要な事項などが書いてあり、確認したドライバーはサインをするというルールになっている。

社屋1階の<啓発掲示板>には、その日の出荷先様のルールや特に注意が必要な事項などが書いてあり、確認したドライバーはサインをするというルールになっている。

【ビジョン】
視線の先にSDGsを見据え、<マイクロバブル>の利活用を推進。

  • 6.安全な水とトイレを世界中に
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任つかう責任
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

これまで同社と同グループの素晴らしい取り組みについてお伝えしてきたが、今回、いつも最後にうかがう<今後のビジョン>の部分でさらに驚かされた。

「まずは今後、これから力を入れたいのは、技術開発への前向きな取り組みですね」と、久世氏。技術開発とは、どういうことなのだろう。

実は同社は、広域協組南ブロックの和泉生コンコンクリート(株)(大阪府泉佐野市)の、雪本清人社長が研究開発しておられる<マイクロバブル>発生装置を導入している。これは、空気の力を借りて水質を改善して、品質の良いコンクリートにしていこうという考えを実現する装置で、同社では、これを洗浄水の水質改善に使えないかとの思いから導入し、現在、様々な実地検証を行っているのだ。

生コンには定められた量の空気が混ざっているが、輸送中に減ってしまう。しかしその空気をマイクロバブルにすると、目に見えないレベルの空気が水に溶け込んでいるため、輸送中の損失量は防げているという。また現場で、ポンプ車の圧送性も少し向上すると言われている。久世氏は「実際、現場では検証をさせていただけないのですが、試験室では良好な結果が確認できています」と胸を張る。

さらに「あと、この水を使うことによって、コンクリートの弱点である固まったときの<引っ張り力>や<曲げ力>が向上するのではないかということで、供試体を取って1年間単位で、今確認中です」。その表情はまるで化学者だ。久世氏は「良い結果が出ると、特許を取っている雪本社長が喜びます(笑)」と、茶化すが、コンクリートの未来にとっては、大きな一歩になることは間違いない。まだ検証中とのことだが、先が楽しみだ。

このほか久世氏は、大阪兵庫生コンクリート工業組合の技術委員を務めておられ、現在は、昨年末に広域協組が開発し大臣認定を受けた<再強コンクリート(タイプA)>の次段階、再生砂や再生骨材の利活用(タイプB)の研究されている。これだけをとらえてもコンクリートの安定品質、また品質向上を追求する同社の意欲は、他社とは一線を画しているのが、お分かりいただけるだろう。視線の先には、すでにSDGsを見据えておられるのだ。

そして、前述の久世氏のコメントに<まず>という言葉が使われた通り、ビジョンはもうひとつあった。こちらは社内に対する現在進行形の取り組みだ。それは同社の全社員が、どの部署の仕事でもできるようにする、という取り組みだ。生コンのプラントにはいろんな仕事があるので、一人ひとりがほかの仕事に対して、他人事ではなく自分事として考えられるように、との思いからはじまった。だから例えば大型免許も、全員が取得しておられる。久世氏は「やっぱり全体を知らないと、仕事を理解できない。変な話ですが、今は私が居なくても、会社は問題なくまわります」と、笑う。これこそ社員一人ひとりのレベルアップだ。視点を上げることで自分も会社も次の段階へ上がることができる。これが、同社のめざす新しいワークスタイルだ。

社外にも社内にもビジョンを掲げる同社と同グループの、これからが楽しみだ。

濁り水の水槽。大量にマイクロバブルを入れているので、少し白っぽく見える。今後はこの濁り水を練り水に使えるようにする予定。

濁り水の水槽。大量にマイクロバブルを入れているので、少し白っぽく見える。今後はこの濁り水を練り水に使えるようにする予定。

◎ここが私のイチ推しポイント!

『いろんなことにチャレンジできるし、人間的にも成長できます!』

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

<試験課 進士貴紀さん>

進士さんは、もともと静岡県の生花会社に勤めておられたが、同じ職場の先輩が大阪の同社に転職。その後、進士さんがご結婚されるタイミングで、将来のことを考えて転職をご決断。その先輩の紹介で同社に入られた。現在、入社5〜6年の中堅社員だ。

もちろん入社当時は、生コンの知識はまったくなかったため、先輩方から仕事を学ばれた。

「どの先輩も、質問に対してはすぐに答えてくれたので、スムーズに仕事を覚えることができました」。もちろん進士さんの素直さと努力があってこそだ。

現在はコンクリート技士の資格も取得し、試験課に籍を置くが、取材当日は、プラント設備のメンテナンスの仕事をしておられた。もちろん大型免許も持っておられるので、ときには10t車に乗って現場にも行かれる。先ほど久世氏が語ったように、様々な仕事を覚える同社のワークスタイルだ。

ここでの働き方が進士さんに合っていたようで、「前の職場は休日が不定休で、しかも主に平日だったのが嫌でしたが、今の職場は基本的に土・日・祝日に休ませてもらえるので、子供といっしょに遊べて助かります」と、笑みがこぼれる。

取材の最後には、「この会社は、いろんな資格を取得できたり一人何役もの仕事を覚えられたり、いろんなことにチャレンジできる環境が良いですね。社内やグループの人とのコミュニケーションも密ですし、仕事だけでなく人間的にも成長できると思います」と、素晴らしいコメントを残してくれた。

休日の楽しみは、主にご家族といっしょに公園や買い物などに行くのが楽しみだという進士さん。これからもご家族との時間を大切にしながら、技術や人間性を高めて、同社や同グループの未来に貢献していただきたい。

休日はお子様といっしょに、公園でくつろぐ進士さん。

休日はお子様といっしょに、公園でくつろぐ進士さん。

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