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生コン業界の仕事や暮らしに役立つ情報をくわしく。
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2021.03.16
2021年3月10日、大阪市中央区にある一般社団法人西日本建設関連オーナー会(以下、オーナー会)の会議室において、KURS(コース=近畿生コン関連協議会、以下、KURS)とオーナー会との、<2021年春闘>第一回目の集合交渉が幕を開けた。
今回は第一回目ということで、まずKURS側から<統一要求書>の主旨説明が行われ、それに対する質疑応答や意見交換が行われた。
KURS側は、執行部である連合・生コン産業労働組合、UAゼンセン関西セメント関連産業労働組合、関西レディーミクスト労働組合、全日本建設交運一般労働組合関西支部の4労組のほか、KLWS(クルーズ=関西労供労組協議会)の議長である自運労京都支部の松居順一郎氏、自運労大阪支部の山口喜代重氏(KLWS副議長)、新運転・関西職別労供労働組合の白土武裕氏(KLWS副議長)ら3名も加えた、13名で主旨説明に臨んだ。
主旨説明会は、KURS事務局次長の藤川拓氏が進行役を務めて開会、まずはKURS副議長の本多裕重氏から、「まず昨年来のコロナ禍のなかにおいて、オーナー会の方々が、我々KURSとの集合交渉に臨んでいただけることに御礼申し上げます。
コロナ禍で、日本経済も大変大きな問題を抱えておりますが、協同組合に関連する企業の皆さまには、そこで働く労働者に対して、感染を防止する対策、またそこで従事する日々雇用労働者の安全対策等も含めて、いろいろとご指導等をいただき、共に働いている皆も感謝しております。ただ我々も現場で、これからも安心安全に働いていくにあたって、現場労働者の生の声を聞いていただきたいということで、この統一要求書の中にも、そういう内容を盛り込んでおります。
オーナー会との交渉につきましては、2018年から4年目になりますが、その都度内容を高めていき、昨年には<モデル賃金>への合意というところにまで至っています。ということで、車の両輪のように労使が一体となって、業界が健全な方向へ進んでいくためにも、この交渉の中でそれぞれが意識を高めながら、また来たる2025年の万博開催へ向けて仕事も忙しくなってくると思われますが、こういうときにも労働者が安全に、しっかりと働けるような環境づくりを目指して、労使共にしっかりとやっていきたいと思います。
本日は、我々の要求主旨をしっかりと説明させていただいて、今後の協議に臨んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」と、挨拶があった。
続いて、オーナー会会長の菅生行男氏からは、「いま本多副議長が言われたように、オーナー会として、今回で第4年目の春闘になりますが、未組織の私が会長として、労組の方々と話し合いをするというようなことは、私自身はじめてのことでしたし、これまでなかったことです。
しかしこういうカタチで3年やってきて、それなりに成果を上げてきたと思っております。いま、コロナ禍のなかで、いろいろとご不便があると思いますが、これを機に、もう一段進んだ労使関係に進めていきたいと思っております。
ただ、この3年間、春闘も含めて皆様と話しをしてきましたが、過去のいろんな部分で、組織のあるところと、労組関係にあるところで、まだ多少わだかまりがあるような気がします。これをこの春闘以降、なくしていきたいと思っています。
経営者は、従業員に喜ばれる経営者に、従業員は、経営者に喜んでもらえるような人間に、そういう関係をめざして、この春闘も頑張っていきたいと思います」との挨拶をいただいた。
労使それぞれの前向きな言葉による挨拶に続き、2021年春闘<近畿生コン関連協議会統一要求書>の趣旨について、KURS事務局長の岡元貞道氏より詳細説明が行われた。
統一要求書の項目については、下記要求項目を参照いただきたい。
説明の後、質疑応答が行われたが、<統一要求書>の内容に見入っていたオーナー会顧問の木村貴洋氏からは、苦言や謝意、要望、意見などが出され、岡元事務局長より返答が行われた。また今回は、木村顧問、菅生会長、岡元事務局長らに加えて、KURS幹事の高橋克利氏、またKLWS(クルーズ=関西労供労組協議会)代表側からは松居議長や山口副議長からも発言があり、活発な意見が交わされた。
これまでもKURSとオーナー会は、労使が互いの立場を尊重しあい、<業界発展・労働者の処遇改善>を目指し行動している。4年目ということで信頼関係が築かれているからか、今回の主旨説明会では冗談も飛び出し、<春闘>という言葉がふさわしくないような和やかな雰囲気で進行、今後行われる協議の舞台へと駒を進めた。
今後は3月17日、24日と協議が行われ、最終の集合交渉が31日に行われる。
<近畿生コン関連協議会統一要求書>要求項目
Ⅰ. 経済要求について
Ⅱ. 制度要求について
Ⅲ.「将来を見据え希望のもてる」労使関係確立
Ⅳ. 政策要求について