KURSレポート
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2019.03.06
今回は、阪神高速4号湾岸線沿い、りんくうJCT北東に立地する和泉生コンクリート株式会社さんのレポートします。
和泉生コンクリート株式会社(以降、同社)は、昭和39年に設立。元々はもう少し内陸部の関西空港自動車道路沿いにあったが、平成4年に関西国際空港建設のタイミングで現在の湾岸線沿いのロケーションに移転した。
建物は、環境への配慮を強化している地区ということもあり、ミキサー・セメントサイロをすっぽり壁で囲ったユニークな構造の工場となっている。従業員は9名、うち5名はコンクリート技士というプロ集団だ。
平成23年に代表取締役に就任した雪本清人氏は、工学修士の学位をもつ根っからの科学者で、さまざまな特許も取得している。工場として取り組んでいるテーマは、基本的な環境の見直しだそう。
雪本氏は大学時代から界面活性につての研究を続け、現在、同社で採用している〈ファインバブル水〉を開発、コンクリートの黒ずみ抑制、産業廃棄物の低減、施設内での埃の低減など、生コン自体の品質改善だけでなく、工場設備の環境改善を実現、研究は研究開発部によって現在も継続されている。
具体的な研究テーマは、産業廃棄物として処分されるスラッジケーキの水分を減らす際に、脱水機を使うよりも低コストで良い状態の水を作り出すシステムを開発、これ以外に生コンクリートに関する技術開発・研究をしておられ、学会にも発表。ほかに温度管理システムの研究も行っている。そして同社は、これらのノウハウを自社で活用するほか、他の生コン関連業界に提供もしているのだ。
輸送部門には、自社車輌(4t)・外注車輛(大型)が常駐、輸送管理はGPS配車管理と無線を併用するなど、「新しい技術を積極的に取り入れ、遅れを取らないよう工夫している」と、現場を取り仕切る、工場長の麻生川武史氏は語ってくれた。そして周辺に住宅は無いものの徐行、粉塵防止、アイドリングストップなどを励行。また年2回のドライバー社内教育も実施している。
さらに同社は、地域貢献活動に力を入れており、近隣の教育施設からの工場見学、職業体験、一般企業の工場見学の受入や清掃活動に積極的に取り組まれ、地域のお祭りの復活にも協力するなど、雪本社長はその手腕を大いに発揮されている。
平成31年度には、ファインバブル水を利用した埃と泥の低減を試みる予定であり、研究の仕上げには、一般の方々に工場を見学いただき評価をいただくそうで、今から楽しみにしておられる。
同社は、生コン工場としての機能だけでなく、生コン業界の発展に貢献する研究所として、まさに二刀流のプラントだった。
所在地 | 〒598-0048 大阪府泉佐野市りんくう往来北1-15 |
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設立 | 1964年4月 |
製造能力 | ミキサー/3000L x 1台・セメントサイロ(4本)骨材用サイロ(8本) |
ホームページアドレス | https://izumi-concrete.com/index.html |