KURS(コース) /
近畿生コン関連協議会

特集

生コン業界の仕事や暮らしに役立つ情報をくわしく。

生コン業界の仕事や暮らしに役立つ情報をくわしく。

  1. KURS・KLWSとオーナー会の<’25年春闘>がスタート。

2025.03.17

KURS・KLWSとオーナー会の<’25年春闘>がスタート。

労使の代表が顔を揃えた<2025年春闘>の第一回目集合交渉。

労使共に、難しい局面を抱える中での<’25春闘>

2025年3月5日、一般社団法人西日本建設関連オーナー会(大阪市中央区。以下、オーナー会)の3階会議室において、近畿生コン関連協議会 (以下、KURS=コース)、関西労供労組協議会(以下、KLWS=クルーズ)、オーナー会の各代表が集結し、<’25年春闘>がスタートした。

司会進行を務めるのは、KURS事務局次長の藤川拓氏だ。集合交渉は、不測の事態で約30分遅れのスタートとなったが、はじめに労働者側からはKURS議長の寺岡正幸氏とKLWS議長の松居順一郎氏から挨拶があり、それを受けて経営者側からはオーナー会会長の菅生行男氏からの挨拶があった。止まるところを知らない物価高騰が生活を圧迫する労働者側。経営者側は出荷減に加えて地域格差の課題も抱えている。どちらも難しい局面を抱えながらの<’25春闘>となる。

挨拶に続いてKURSの岡元貞道事務局長による<近畿生コン関連協議会25年春闘統一要求書(以下、統一要求書)>の趣旨説明へと進み、その後は質疑応答となった。今回はオーナー会側から日程の変更などの要望があり、協議が行われた。協議内容について少し説明しておこう。

司会進行を務める、KURS事務局次長の藤川拓氏。

司会進行を務める、KURS事務局次長の藤川拓氏。

交渉を1回減らし、<丁寧な説明>を行うことで理解を促進

KURS・KLWSでは、今春闘第一回目の集合交渉を3月5日(水)に行い、その後、同月12(水)、19日(水)、26日(水)と、毎週水曜日ごとに交渉を行う予定にしていたが、今回、オーナー会側から中一週間だけでは、説明しきれないという意見が出た。

我々は毎年この集合交渉の場で、KURS・KLWS側の提起する<統一要求書>について議論を行い、それをオーナー側の代表団が一旦持ち帰り、その後、ブロックごとに内部消化している。もちろん労組(KURS・KLWS)側も、決定事項を各代表がお互いの各組合員に説明し、その後、プラント側と交渉するという手順となる。

これには生コン業界独自の構造が関係している。つまり生コン業界は、ほとんどが従業員数10名前後のプラント各社の集合体のため、他業界のように春闘の場ですべてが決まる訳ではない。我々が春闘の場で決めるのは、あくまで交渉のベースとなる<ガイドライン>だ。実際にはここで決まった確認内容などは、各労使代表が持ち帰り、その後それをベースに事情等を踏まえて、プラントごとに交渉を行うという流れだ。これが一般の春闘と少し違う点だ。

今回は、年末に発生した<有志連合会>から出された<書面>に関連した問題もあり、オーナー会としては、いつもより時間をかけて<丁寧な説明>を行う必要があると判断。そのため12日(水)の集合交渉はこの場に集まらず、<統一要求書>に対する回答の連絡だけにしたいとの要望だ。KURS・KLWSでは、協議の結果オーナー会の要望を受け入れ、次回の集合交渉は19日(水)に行われることとなった。全体としては交渉回数が1回減るが、丁寧な説明を省くことはできない。

挨拶を行う、KURS議長の寺岡正幸氏。

挨拶を行う、KURS議長の寺岡正幸氏。

挨拶を行う、KLWS議長の松居順一郎氏。

挨拶を行う、KLWS議長の松居順一郎氏。

<丁寧な説明>で、KURS・KLWSの存在意義や活動への誤解もなくしたい

さて今回、協議のテーマとなった<丁寧な説明>の必要性については、もうひとつ別の理由がある。それは労使関係のない(組合のない)プラントが多いという現状だ。もちろん労使関係のないプラントの中にも、KURS・KLWSの活動を理解していただいている、または意識して理解しようとされているプラントも存在する。しかし過去に、労働組合を騙(かた)る反社会的集団の標的となりご苦労をされた経験があったり、その被害を見聞きしたりして、<労働組合><春闘><統一要求書>という言葉を聞くだけで拒否反応を示されるプラントも少なくない。しかし連帯労組(全日本建設運輸連帯労働組合)との決別から7年にわたる、我々の労組活動を検証してほしい。

我々、KURS・KLWSは、11団体約1,100名の組合員がひとつにまとまって、オーナー会と新たな集団的労使関係を構築し、オーナー会・広域協組と共に業界発展を目指して活動している。

また一方で、我々の存在自体や活動、またオーナー会との集団的労使関係を発展させてきたことが、反社会的集団につけ込まれない抑止力となり、その活動が、業界の秩序づくりやイメージアップに貢献している事について、労使関係の有無に関わらず、メリットを享受されていることは意外と知られて(意識されて)いない。もちろん徐々にではあるが周知されてきているのだが、我々、労働組合自身がもっと広報活動を強化しなければならないし、願わくはオーナー会・広域協組側からも、我々の取り組みを、様々な場面でアピールしていただきたい。そのような地道な努力によって、交渉や協議がよりスムーズに行われるようになり、業界発展につながるのではないだろうか。

【近畿生コン関連協議会’25年春闘統一要求書】 ※項目のみ

Ⅰ.経済要求について

  1. 正規労働者の賃金引上げについて
  2. 日々雇用労働者の日額賃金引き上げ及び就労条件改善について
  3. 正規労働者の一時金要求について
  4. 福利厚生資金について

Ⅱ.制度要求について

  1. 人員補充について
  2. 定年制・雇用継続について
  3. 年間休日について

Ⅲ.労使関係確立について

  1. 健全な労使関係の確立
  2. 企業の社会的責任(CSR)に関する要求
  3. 諸法律の厳守について

Ⅳ.政策要求について

  1. 生コンクリート協同組合の加盟企業の経営安定と、労働者の生活と雇用を守るため次のことを実施されること
  2. バラセメント輸送における業界秩序確立と経営危機打開にむけ、各セメントメーカー及び販売店・バラセメント輸送企業は次のことを実施されること
意見を述べる、KURS事務局長の岡元貞道氏。

意見を述べる、KURS事務局長の岡元貞道氏。

7年目を迎え、お互いの本音が言い合える労使関係を育てていきたい

現在、春闘は7年目を迎え、KURS・KLWSとオーナー会の信頼関係は揺るぎないものがある。しかしお互いの気心が知れれば知れるほど本音が出やすくもなる。そういう意味で、この<春闘>についても、今、様々な意見が出ているのだ。労使が率直な意見を言い合える関係になったことは、労使共に歓迎すべきことと認識しているし、お互いに今の関係をこれからも育てていきたいと願っている。

今春闘も、さらに業界が発展するよう前進ある回答を求めて、頑張って協議を進めたい。

意見を述べる、KURS副議長の本多裕重氏。

意見を述べる、KURS副議長の本多裕重氏。

意見を述べる、オーナー会会長の菅生行男氏。

意見を述べる、オーナー会会長の菅生行男氏。

意見を述べる、オーナー会理事の山田英幸氏。

意見を述べる、オーナー会理事の山田英幸氏。

協賛団体

PAGE TOP